<無効審判制度の改正趣旨>
(1)異議申立の廃止と無効審判制度への統合の観点からの主要な改正点について
従来、異議申立制度と無効審判制度が並存しており、以下のような問題があった。
@.重複して請求されることがあり、紛争の解決に長期間を要する。
A.異議申立てが不成立の場合に不服申立ての出訴ができず、無効審判を請求するほかないため、2つの手続きが繰り返されるという冗長性があった。
B.重要な特許ほど上記の事態が顕著に生じるが、こうした特許は迅速な紛争解決が最も強く求められるものである。
C.異議申立人は当事者として審理手続きに関与できず、攻撃・防御ができない。
D.異議申立て期間が6月であることから特許取消の根拠とならないような不要な異議申立てを含む複数の申立てがなされ、審理が複雑化し迅速な紛争解決が図れない。
このような問題点を解消するため、異議申立ては廃止され、無効審判に統合された。(本文へ戻る)
(2)無効審判における攻撃・防御の機会の適正化の観点から改正点について
従来は下記のような問題点があった。
@請求理由の追加が不可能であったため、同一特許に対して同一人が繰り返し複数の無効審判を請求する件数が増加していた。
A実務においては、上申書を提出することにより対応がなされていた。
このような問題点を解消すべく、請求人には無効審判請求書に新たな請求理由を追加する補正が例外的に認められることとなり、他方、特許権者には再度の答弁機会と訂正機会が与えられることとなって、無効審判における攻撃・防御の機会の適正化が図られることとなった。
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(3)訂正審判の請求時期の改正点について
従来は、無効審判の審決が出され審決取消訴訟が提起された後は、いつでも訂正審判を請求することが可能であった。
一方、訂正審決が確定した場合には、ほぼ自動的に無効審判の審決を取り消す裁判実務が定着していた。
そのため、いわゆるキャッチボール現象(審決取消訴訟の訂正審判に起因して事件が裁判所と特許庁との間に行き来すること)が生じていた。(※キャッチボールの流れ:@無効審決→A審決取消訴訟の提起→B訂正審判の請求→C訂正の認容審決の確定→D無効審決を取り消す判決(差戻し)→E無効審判の審理と審決→F審決取消訴訟)
また、以下のような問題も生じていた。
a.審決の自動的な取消を目的として、審決取消訴訟の出訴とともに訂正審判を請求する事態が急増した。
b.審決取消訴訟の終了間際や最高裁への上告受理申立てという極めて遅い時期に至ってから訂正審判を請求する事態が急増した。
c.出訴後、訂正審判の審理を行い、次いで裁判所から戻ってきた無効審判事件の審理が行われるという「審理の分断」による非効率性の問題があった。
→ a 、 b 、 c の問題により、審理の無駄及び遅延が生じ、最終決着まで長期化
以上のような問題点を解消すべく上記のような改正がなされ、無駄な審理期間をなくした制度となった。(本文へ戻る)
<参考文献>
平成15年特許法等の一部改正 産業財産権法の解説 (発明協会)
特許庁ホームページ
以上
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