長濱国際特許事務所
 
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平成15年法改正により、異議申立制度が廃止され無効審判制度に統合されました。 また、無効審判における攻撃・防御の機会の適正化が図られ、無効審判請求書の請求理由の要旨変更補正が例外的に認められることとなっています。 更に、訂正審判の請求の時期も改正され、無効審決取消訴訟の出訴後90日に限り訂正審判が請求できることとなっています。

(2004年6月11日 宮川斉士)


無効審判制度の改正について

[各論]

(1)異議申立の廃止と無効審判制度への統合の観点からの主要な改正点について
@.請求人適格が以下のように改正されています。
@公益的理由については、利害関係人のみならず何人も請求することが可能となった
A権利帰属に係る無効理由については従来同様、利害関係人に限られている。
  (注意点)
   ・いわゆるダミーによる無効審判請求は実質的に困難
   ・弁理士・弁護士が自己の名において無効審判請求することは可能

(趣旨についてはこちら)

(2)無効審判における攻撃・防御の機会の適正化の観点から改正点について
@.無効審判請求理由の記載要件の明確化が図られた(131条第2項)。
A.無効審判請求書の「請求の理由」の要旨を変更する補正が例外的に許可されることとなった(131条の2第2項)。
  ・補正が許可される条件について
  (一般則)
    @不当な審理遅延を生じないこと(131条の2第2項柱書)
    A合理的理由が存在すること(同項一号)
    B特許権者の同意の存在があること(同項二号)
  (訂正請求があった場合の特則)
    @不当な審理遅延を生じないこと
    A訂正請求に起因して請求理由の補正が必要となったこと
(※訂正による事情変更≒合理的理由の存在  ※訂正請求 ≒特許権者の同意の存在)
B.無効審判請求理由の要旨変更補正が認められる場合に、特許権者に再度の答弁機会と訂正機会が与えられることとなった(134条第2項、134条の2第4項)。

(趣旨についてはこちら)

(3)訂正審判の請求時期の改正点について
@.無効審判が請求されてからその審決が確定するまでは原則として訂正審判が請求できないこととしつつ、審決取消訴訟の出訴後90日に限って例外的に訂正審判が請求できることとなった(126条第2項)。
A.出訴後に訂正審判が請求された場合であって、所定の場合には決定により審決を取り消して無効審判事件を特許庁に差し戻すことができることとなった(181条第2項、3項)。
B.上記の差戻し決定があったときは、再継続の無効審判中において訂正の適法性や特許の有効性について審理されることとなった(134条の3)。

<無効審判の係属後、審決確定前における訂正のできる期間>

@無効審判の審決に対する訴えの提起があった日から起算して90日の期間(126条第2項)
 ・ただし、181条1項の規定による取消しの判決又は同条第2項の規定による取消決定の確定後の期間は除かれます(126条第2項カッコ書)。→この場合は下記A又はBの期間内の訂正請求により訂正の機会が付与されます。
A特許無効審決(審判の請求に理由がないとするものに限る。)に対する181条第1項の規定による取消判決が確定し、同条第5項の規定により審理を開始するときであって、その判決の確定の日から1週間以内に被請求人が申立てをした場合に指定された期間(134条の3第1項)
B181条第2項の規定による審決取消決定の確定後、同条第5項の規定により審理を開始するときに指定された期間(134条の3第2項)

 ・ただし、再継続の無効審判の審理の開始の時に既に前記@の期間中に請求した訂正審判の審決が確定している場合はこの限りではありません(134条の3第2項)。

<その他の訂正に関する改正点>
・訂正の援用
 前記@の期間内に訂正審判を請求した場合において、前記A又はBの期間内に訂正請求をするときは、訂正審判の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面を援用することが可能です(134条の3第3項)。→この場合、前記@の期間になされた訂正審判の請求は取り下げたものとみなされます(同条第4項)。
・みなし訂正請求
 前記@の期間内に訂正審判が請求されており、その訂正審判が確定していない場合であって、前記A又はBの期間内に訂正の請求がされなかった場合は、原則として、その期日の末日にその訂正審判の請求書に添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面を134条の3第3項の規定により援用した134条第1項の訂正の請求がされたものとみなされます(134条の3第5項)。


(趣旨についてはこちら)

[まとめ]
 今回の改正により、迅速な紛争解決が図られることとなりました。特に、被請求人側からは訂正審判の請求時期が制限されている点、請求人側からは審判請求書の請求理由を追加する補正が例外的に許可される点が改正されていることから、制度を有効に活用するべく注意が必要です。


<参考文献>
  平成15年特許法等の一部改正 産業財産権法の解説 (発明協会)
  特許庁ホームページ

以上


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